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2023/1/10

DELFONICS DIARY DESIGN ARCHIVE

1987年から続く、デルフォニックスダイアリー。発売開始から30年以上、毎年さまざまな表紙の手帳を発表しています。表紙を眺めるだけでワクワクする、この気持ちを届けたいと思い、今回は発売から2005年までの表紙をご紹介します。

デルフォニックスの手帳専門店オープンをきっかけに、過去の手帳を集める機会がありました。長年にわたり制作された手帳を見つけ、この原稿を書いているメンバーの筆者も非常に高揚しました。見たことのない表紙デザインのバリエーションにときめき、過去に使っていた手帳を見つけた瞬間、当時の思い出がフラッシュバックし、懐かしい気持ちに。みなさんも、自分が使っていた過去の手帳を見つけて、特別な気持ちになったことはないでしょうか。

デルフォニックスにとっても特別なアイテムである手帳について、弊社デザインディレクターの佐藤は『デルフォニックス 文房具の本』にこう記しています。

「デルフォニックスが最初に作った商品は、日付を書き込めるタイプのフリーダイアリーだった。それまでのダイアリーといえば、国内のものは機能性や利便性を追求した、ビジネスよりのものが主流。輸入文具に関しては一部の高級品を除くと、アメリカのポップなテイストのものばかり。デルフォニックスはそのどちらでもない、ヨーロッパっぽいシンプルなデザインに新しい価値を見出した。今までになかったダイアリーを作りたい。過剰なデザインを一切排除したデザイン。それでいて冷たすぎず、温かみがあり、普遍的であることが重要だった」

1987年~2000年 手帳表紙デザイン

下段中央にあるイエローの手帳は、現在も定番シリーズであるリネンダイアリー

1989年に日付入りの手帳が初登場し、90年代は合皮や本革製ほか表紙のバリエーションも増えました。 
中でも好評を得たのは、デルフォニックスが得意とするグラフィックデザインに、レッドやイエローなど発色の良い色を使ったヨーロッパらしさのあるシンプルな手帳です。まるで洋書のような雰囲気を感じさせる表紙デザインは、装丁を眺めたり、インテリアとして飾る楽しみまでもかもし出し、30年近くが経つ今でも古さを感じさせません。使うだけにとどまらず、ずっと残しておきたくなる表紙ばかりです。 

また、現在もデルフォニックスの定番として毎年発売されているリネン素材のシリーズは、この頃に制作されたもの。スイスグラフィックを感じさせるベーシックラインは、フォントに変化を加えつつも現在まで制作され続けています。 

2001年~2005年 手帳表紙デザイン

ベーシックラインにテキスタイルタイプのものが加わる
タイポグラフィを用いたもの

2001年以降は、ベーシックラインはそのままに、ヴィンテージファブリックを感じさせるテキスタイルタイプのものから、アップルなどのフルーツ柄を大胆に配したグラフィカルなもの、さらにデルフォニックスらしいタイポグラフィを配した表紙など、一気にバリエーションが広がりました。シンプルでありながら、表紙カラーと絵柄の配色が奇抜な商品も多く、今でも新鮮に感じます。様々なテイストの表紙を見ることで、楽しい気持ちにさせてくれ、「使う楽しみ」だけではなく、デルフォニックスの手帳の魅力である「選ぶ楽しみ」を体験できるエンターテインメントになりました。

時代の変遷を感じつつも、30年以上たった今もなお、どこか新鮮な気持ちにさせてくれるものばかりです。手帳というアイテムは、毎日を共にするからこそ、飽きのこないものがいい。デルフォニックスはこれからもみなさまに、バリエーション豊かな手帳選びの楽しさをお届けしていきます。