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2022/11/16

情報の性質に合わせて、複数の手帳を使い分け。
​ 「Smith」店長の予定管理

働き方が変化しつつある今、元はビジネスアイテムである手帳の役割も、少しずつ変わってきているように感じます。出社、外出、テレワーク。会議も対面だったりオンラインだったり。手帳の使い方は変えていないのに、これまで上手くいっていた予定管理がなんだかスムーズに進まない。そんな経験はありませんか?

デルフォニックス直営店「スミス」の店長は、店長業務に加えて、他店舗との連携やマネジメント、SNSの更新や店舗限定商品の企画立案など、多岐にわたる業務とその予定を管理しているプロフェッショナルです。そのノウハウには、真似できるヒントがたくさん詰まっているのではないかと思い、深堀りしてみることにしました。

「Smith」店長の多岐にわたる業務内容

今回話を聞いたのは、店長業務と合わせて複数の役割を担っているSmithの店長。まずは具体的な業務内容について教えてもらった。

「担当しているのは、大きく分けて販売部の業務、企画業務、店長業務の3つです。販売部は全国の店長が所属している部署。複数店舗の店長をまとめたチームのリーダーとして、管理やサポート、マネジメントをしています。企画は、商品開発に携わる仕事。店舗での肌感覚や、リアルタイムなお客様のニーズなどを会議で共有しています。入荷時期に合わせてPOPなど販促物の用意も。店長としては、スタッフのシフト管理や商業施設内での会議参加、フェアや販促施策の実施、入荷予定の管理など、日々の店舗業務があります」

複数の担当を持っているため、働く場所も、店舗・在宅・出社と毎日異なる。

「企画業務に携わるようになってから、週に1度は本社で会議に参加していましたが、コロナ禍だったこともあり時期によってはオンラインに切り替えということも。基本的には店舗での勤務となりますが、PC作業の多いタイミングは在宅で作業をしています」

出社だけ、在宅だけ、というわけではなく、組み合わせたハイブリッドワークをしている人も多いのではないだろうか。複数の場所で、複数の業務を抱えていると、どうしても頭が混乱してくることも。多元的なタスクやスケジュールをどのように整理して管理しているのか、実際に使っている手帳とともに見ていこう。

個人と店舗の予定をそれぞれ管理する、フォーマット活用法

個人として使用している手帳は、3冊(!)という、ヘビーユーザーな店長。3冊のフォーマットはすべて異なり、ロルバーンノートダイアリー ガントチャートと、フォーマット違いのログチャート。あとはメモとして、LIFEのノートを過去のデルフォニックス手帳のカバーに入れて使っているという。

「会議の内容や毎日の業務内で生まれたことなど、まずはすべてLIFEのノートに記入。その後、スケジュールや締め切りに関するものだけを整理しながら抜き出し、決まった情報としてログ、ガントに書き写して管理しています」

プロジェクトごとの締切を管理するガントチャート
商品の発売日やフェアのスケジュールを管理するログチャート
ミーティングメモや日々のTODOリストを記入するLIFEのノート

スケジュールと締め切りは、混合してしまいがちだが、性質が異なる。全部を1冊の手帳にまとめていると、その日にやることと、その日までにやることが混ざってしまう。彼女のように担当範囲が多岐にわたる場合は尚更だ。

在宅勤務が導入されてからは特に、WEB会議や共有オンラインツール内での指示やフィードバックも多くなり、“いつまでに考えてくる”のような、締め切りを設けた細かいタスクも増えたように感じるとのこと。性質が異なるスケジュールや締め切りは、どのように管理しているのだろうか。

「会議のような、時間の決まった“その日やること”はオンライン上の共有予定表。締め切りなど“その日までにやること”はガントチャート。長期的に把握する必要のあるスケジュールはログチャート。管理したい内容ごとに分けて使用することで、欲しい情報があるときにどこを見ればいいのかが明確になり、頭が整理されました」

ガントチャートは、一つ一つの記入欄は小さいが分割できる項目が多いため、細かいプロジェクトごとの締め切りを抜きだすのに最適だ。逆に、ガントチャートと比べ1日あたりの記入欄が横に広いログチャートは、複数の予定を重ねて記入できる余裕があるため、同時開催の可能性があるフェアやイベントなどの予定管理に適しているそう。

情報の性質と、管理ツールの性質。相性のいい組み合わせを見つけることが、スムーズな予定管理の近道なのである。

さらに、管理するのは個人の予定だけではない。店長として、スタッフも含めた店舗全体のスケジュールを共有する必要がある。

「店舗用にはログチャートを使っています。毎日のTODOや時間軸での勤務予定などの短期的な管理は専用のスケジュールシートに、商品の入荷予定やフェア・施策などの中長期的な物はログチャートに、と使い分けていて。学生スタッフなどは前回の出勤から間が空いていることもあるので、“今店舗では何をやっているのか、いつからいつまでなのか”といった状況を、ログチャートを横に見ながら朝礼で確認しています」

店舗用のログチャートは、他スタッフが書き込むことも想定し、個人用より大きめのA5サイズを使用。

デジタル時代に、アナログ手帳で予定管理をする理由

ここまで手帳を使った予定管理方法を聞いてきたが、デジタルツールも増える中、なぜアナログ手帳をメインに使っているのか。その理由を聞いてみたら、現代の変わりゆく働き方の中での手帳の役割が見えてきた。

「一つは、自分の文字の情報の方が記憶に残る、ということです。情報を整理して書き写すことでインプットとアウトプットを繰り返し、脳に定着している感覚があります。デジタルでも管理できるとは思うのですが、PC上に打ち込まれた文字は頭に残りにくいように感じていて。ふいに“あれってどうなっているっけ”と小さなタスクが気になるような場面があると思うのですが、手で書いて読んだという行為が、記憶を引き出すきっかけになっています」

もう一つの理由は、画面が共有されたり事前にアップされた資料を参照したり、ウィンドウをたくさん開く必要があるというWEB会議での一場面にあった。

「共有されているExcel形式のスケジュールもあったりするのですが、パソコンの画面サイズは限られていますし、行ったり来たりも大変で。そんな中、予定や締め切りを確認する場面でパッと開いて参照できる手帳はとても便利です。常に開いておけるウィンドウのような感覚で、会議中は必ず横に置くようにしています」

パソコン一台、スマホ一台にたくさんの情報を詰め込める今だけれど、デジタルにもアナログにもそれぞれの良さがある。予定、タスク管理でなんだか上手く行かないと感じたときは、デジタルで管理していたものを部分的にアナログに落としてみたり、またはその逆を試してみたりと、こちらも場面と性質に応じて併用してみてはどうだろう。

「Smith」店長の予定管理方法はいかがだったでしょうか。
複数冊の使い分けは少しハードルが高い、という人もいるかもしれません。
まずは真似できそうなところから。
みなさんの多種多様な働き方の中で、取り入れられそうなヒントが1つでも見つかれば嬉しいです。
紹介したログチャート、ガントチャートはこちら。

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