2023年10月始まりのダイアリーの一つ、これまでにないギミックを持ったロルバーン ダイアリー「トロワ」が生まれました。
何が新しいのか、というと、「表紙の着せ替えができる」という点。 どのように商品化に至ったのか、担当デザイナーに聞いた制作背景のエピソードとともに、楽しく使えるその魅力をお伝えします。

複数のデザインを楽しめる、新しいロルバーン ダイアリー

着せ替えができるロルバーン ダイアリー「トロワ」のバリエーションは、部屋に飾られている花をモチーフとしたセットと、テーブルの上に置かれた食べ物のセットの二種。

それぞれ、ダイアリー本体と、柄が違う3枚の表紙プロテクターがセットになっている。
単体でも使えるシンプルなデザインが施された本体。プロテクターの絵型は、印刷手法を活かし、透ける箇所と透けない箇所をデザインしており、重ねるときれいに本体と柄が組み合わさって、3パターンのデザインが浮かび上がる仕様だ。

1つ1つで成立する、プロダクトとしてのこだわり

商品企画にあたりさまざまな部署からアイデアが持ち寄られる会議で、「春夏秋冬に合わせて表紙の景色が変わるプロテクターセットはどうか」というところから着想された「トロワ」シリーズ。

「着せ替えができる、というキーワードを元に、模様の変わる猫、文字通り着せ替えられる洋服、窓から見える移りゆく景色、中身の変わるお弁当など、さまざまなモチーフを検討しました」と話すのは、担当したデザイナー。

「商品企画では、初めにゴールを決めて、そこから逆算のデザインをすることを心掛けています。今回大切にしたゴールは、バリエーションの幅やバランスに加え、“プロテクターを付けていなくても、プロテクター単体でも、それぞれがワクワクするデザインにする”ということでした。
さまざまなモチーフをシミュレーションする中で、花や食べ物についても、物単体でのデザインを検討しましたが、単体で見ても魅力的なものにするため、最終的にはインテリアやテーブルの背景を入れています。プロテクターセットという新しい商品ならではの、こだわったポイントです」

確かに、花や食べ物だけでなく花瓶やお皿といった面の模様が入ることで、プロテクターを単体で見てもデザインされたものになっている。

また、本体に描かれた背景についても、例えば何も乗っていないお皿には、顔のマークと「C’est bon（フランス語で、“おいしい”の意味）」の文字が。
「ダイナーで出てくるようなお皿をイメージしながらリサーチを重ね、字体やマークの検討を繰り返しました」という通り、遊び心を加えた細部のデザインで、シンプルでありながらも寂しさを感じない。
セットしないと成立しないものでは、単なる付属品になってしまう。その言葉から、プロダクトデザインをするうえでの強いこだわりを感じた。

テーマが決定してからも、統一感を維持しながらも着せ替えで変化を楽しめるよう、モチーフの検討は続く。

「花は、一輪挿しのものや、花束のようにまとまったものなどシルエットに差をつけ、チューリップ、シャクヤク、カモミールを採用しました」という通り、幅のあるセレクトで印象や雰囲気ががらっと変わって楽しい。また、モチーフの変化はあれど色調やタッチのトーンは統一され、背景のインテリアと重ねても馴染んでいる。
花の種類に合わせ、花瓶のデザインが一つずつ異なるのもポイントだ。チューリップには韓国テイストのストーン調、シャクヤクにはオランダやスペインをイメージした陶器、カモミールは北欧モダンな雰囲気のボーダー。
よく見ると窓にも、雲だけでなく飛行機や蝶が飛んでいるなどと違った景色が浮かび上がり、楽しく使える工夫が凝らされている。

また、食べ物ではプロテクターセットならではのモチーフ選びもあったそう。

「通常のロルバーンではハードルの高い変り種のデザインも、複数パターンのうちの一つなら挑戦しやすい。着せ替えられるギミックという点でも遊び心のあるシリーズのため、くすっと笑えるようなポイントを入れたいと思っていました」

人気の高い食べ物モチーフだが、食べ物と言ってもテイストはさまざま。
朝ごはんの王道であるトーストや甘めのケーキセットと合わせて、少しユニークなものとして、点心を主役とした中華が採用されているのがポイントだ。
定番ではないものの刺さる人には深く刺さるモチーフが、セットとしての楽しさを広げている。

新しい商品であるがゆえ、仕様の検討や説明書の作成など製品化までの課題は多かったというが、「中華の小皿にネギを散らしていたのですが、スープのようにも見える、となって。最終的には分かりやすくラー油を入れたのですが、みんなでああでもないこうでもないと意見を交換しながら描くのは楽しかったです」と、試行錯誤の過程も楽しむ様子が伝わってきた。

「一年使うなら、色々変えながら楽しみたい」を叶える手帳

一年間使うことを前提に選ぶダイアリーは、他の文具と比べてデザインを選ぶハードルが高いもの。特に毎シーズンさまざまなバリエーションで登場するロルバーン ダイアリーは、「一冊に選びきれない！」という人も多いのではないだろうか。
その日の気分に合わせて着せ替えできる「トロワ」は、そんな人におすすめの一冊だ。

服装や持ち物のコーディネートに合わせて表紙を変えたり、華やかな柄を持ちにくい仕事の時は外してシンプルに使ったり。
３枚セットになったプロテクターは、先ほども紹介したように単体でもワクワクするデザインだ。余ったプロテクターを通常のロルバーンに付けてダイアリーとセットで持ってもいいし、手帳を使い終わった後に使い続けることができるのも嬉しい。
どんな使い方をしようかとあれこれ考えてみるだけでも、楽しい一年になるような予感がしてくる。

「トロワ」は、2023年10月始まりのロルバーン ダイアリーです。
直営店では2023年8月18日（金）より発売予定。楽しみにお待ちください。