デルフォニックスのスタッフがリアルに書いた日記を、リレー形式で公開する企画「つづるリレー」。今年6月に公開した第一弾では、デルフォニックスの手帳チームメンバーがおのおの異なるテーマを決めて参加しました。
実施から少し経った今、「つづるリレー」を振り返って、日記を書いて感じたことや誰かの日記を見て気付いたことを共有する、座談会を行いました。その様子をお届けします。
ー本日は、部署も年代も異なる8名のスタッフが集まりました。改めて、みなさんが日記にどんなことを書いたのか、なぜそのテーマを選んだのか教えてください。
Yさん
趣味の「外遊び」に関する日記にしました。コロナ禍を閉塞的に過ごした反動で、2年前友人に誘われたのをきっかけに、登山に夢中になっています。山に登りはじめて2シーズン目になるので、「いつどんな服装でどんな山に登ったか」が振り返れたら便利だなと思い、イラストを入れながら記録してみました。
Oさん
私も趣味の日記で、サッカー観戦の記録を。休日のどちらかはスタジアムで過ごしているので、テーマを考える中で、「好きなことなら書けそう、むしろこれしかない!」と。
Iさん
私は、もっと趣味の時間を確保したいという気持ちで「本にまつわること日記」。社会人になってから読書のハードルが上がってしまったので、気になる作品や積読整理など、まずは本のことならなんでも書いてOKと決めました。
Nさん
私も自分の時間を目的に、欲しいものや行きたいところなど、自分の欲を書き出す「欲日記」を書いてみました。子供が4歳で、育児や家事で慌ただしい毎日。なかなか自分のしたいことが出来ていない中で、自らの「欲」と向き合えば何か変わるかな?というところがきっかけです。
―みなさん、好きなことや欲望(!)のアウトプットとして使われているのですね。仕事や生活の記録として使っている人はいますか?
Rさん
趣味というよりは仕事用に。商品企画の会議に参加しているのですが、良いアイデアを出せない悩みがあって。日常の中でふいに浮かんだアイデアや小さな気付きを日記としてストックしました。書いてみて少し自信につながったかも。
Hさん
昨年4月からビジネススクールに通いはじめたので、その勉強記録を。「自分がここまで勉強した」というのが目に見えるのは、Rさんも言っていたように、嬉しいよね。
Aさん
私は、夫との日常を記録しています。そんなに書くことあるかな?と思っていましたが、思ったより書けて。内容は、帰り道に違う道を通ったとか、夕飯に何を作ったとか、毎日の些細なことがほとんどですが、忘れてしまうような一瞬を残しておけてよかったなと思います。
みんな
素敵な日記!
Aさん
喧嘩した時に読み返して「こんなことしてくれたな」と思い出したりしました。笑
―まったくみなさんとは異なる使い方をしている人はいますか?
Sさん
気になっているドイツ人アーティストの曲から、歌詞日記を書きました。
みんな
歌詞日記!?
Sさん
きっかけは、ドイツ語への興味。フレーズと意味を書き写すだけだと勉強っぽくなってしまって続かなそうだったので、思い出される経験や記憶も書いてみました。和訳で「私たちはいつもでもこうあり続けるでしょう、困難な時期も笑い飛ばして」という意味の歌詞だったら、「学生時代大変なこともあったけれど、笑い飛ばせたのは友人もいたおかげだったな」というような。一日を振り返るだけでなく、前のことを思い出すきっかけになったのも楽しかったですね。
ー「続かないと思った、そんなに書けないと思った」という声も多かったように思います。これまで日記にトライした経験がある人は、今回、日記との向き合い方は変わりましたか?
Oさん
好きなことをテーマにしてみたら、想像以上に書きたいことがあって。日記には何度もトライしてきましたが、なかなか続けるのが難しかったのは、テーマを決めていなかったからかも。
Rさん
自分もこれまでは三日坊主。朝に書く!と決めても、結局起きられなくて続かないとか。今回は、毎日続けなくてもいいんだ、と肩の力を抜いて向き合えたから、無理せず書きたい時だけ書けたと思います。
みんな
分かる!
Yさん
「毎日書く」と思っていると、書けなかった日が1日でもあるだけで、なんとなく億劫になりますよね。書けていた日の自分が眩しく見えて、日記から少しずつ距離をとってしまうというか。書きたい日だけ、がいい距離感なのかも。
Nさん
私も日常が忙しくなっていつの間にか途切れてしまっていました。家計簿や献立の記録はつけていても、自分のことというより家族のこと。なかなか自分の時間を取れていないと思っていたけれど、自分の欲を書いてみたら、日記の中には確かに自分の時間があった!と思えました。
―日記をあまり書いたことがなかった人は、どうでしょうか。
Aさん
自分のことを書く習慣がなく初めは不安でしたが、「良いことだけ書く」と決めたのが良かったなと思います。嬉しかったことを集めておくと、見返した時も幸せな気持ちになれて。何なら、書くことより見返すことの方が楽しいかも。
Oさん
分かる!振り返るのが楽しいから、書いておこうという感覚ですよね。
Sさん
私も日記を書くのはかなり久しぶりでした。学生時代iPodのメモ機能を使って記録していたのですが、1年くらい続けた頃に故障してしまって。書き続けたデータが跡形もなくなってしまったショックを今も覚えています。今回久しぶりに紙に日記を書いてみて、物として確実に残る安心感があるなと思いました。
―確かに、紙ならではの良さもありますよね。Hさんは普段デジタル派とのことでしたが、今回書いてみてどうでしたか?
Hさん
仕事の予定管理や勉強の記録は基本的にデジタルデバイスで。アナログツールからは離れていたのですが、「紙に書く」という行為自体がストレス発散になると気付きました。手で書く感触が、PCで書くのとは違う刺激が伝わってきて、気持ちを切り替えるスイッチのような役割になったのかもしれません。
ー内容だけでなく、書き方にも個性が出ていましたね。他の人の日記を見て気になったところはありましたか?
Hさん
小さなことですが、みなさんボールペンで書いていますよね?私だけシャーペンで、書き間違えとかどうしているのかなと思って。
Iさん
自分用なので、普段は塗りつぶしたりしちゃいます。
Oさん
吹き出しで追記したりとかね。
Yさん
私も。でも確かに、Hさんのように勉強用だったらシャーペンかも!出来事とかの記録よりも書き直したいことが多い気がする。
―書く内容によって、しっくりくる筆記具も変わるんですね。複数のペンを使っていた人はいますか?
Nさん
私は2種類のペンの使い分けルールを決めていました。思い付きで書いている毎日の内容は、間違えても良いから普通のボールペン。振り返りは、しっかり残したいから書き直せるフリクション。日記の初めのページに設けたルールリストに書いてあります。
Rさん
Nさんのルールリストは、とても参考になりました。ペンの使い分けだけじゃなく、書き方や振り返りの仕方も整理されていてすごい。
みんな
分かる!
Iさん
Nさんの日記は、表紙の内側に貼られたマスキングテープの「ページ分割メモリ」にも感動しました。方眼をいちいち数えなくても、すぐにページを3分割にできる。
―文字を書くだけではなく、紙物やシールを貼っていた人もいましたね。
Hさん
Iさんのカラフルな丸シールは、どういうもの?
Iさん
書いた内容を、カテゴリーごとにシールで色分けしてみました。「楽しい手帳の読み物」でも紹介した、コモンプレイスブックのやり方です。一目で自分の記録傾向が見えて面白いです。私は、青(読みたい本)がすごく多い。笑
Oさん
シンプルに黒のボールペンでも、シールを貼るだけで見た目の気分が上がるよね。
Iさん
そうなんです。簡単なのに凝っている感じもあって、充実感があります。自分にはこのくらいの手間がちょうどよかったです。
Oさん
Aさんの、左右上下の余白も良いですよね。紙物を貼ってもゆとりがあるし、ノートは左上からきっちり書く、という固定概念にとらわれていないというか。
Aさん
昔から自由にノートを書くときはこう書くのが癖で。考えてみればロルバーンの時だけ、方眼で無意識に縦が揃って、四角形みたいになるんです。自由に書いていい!と思うと自然とページにもゆとりが生まれるのかもしれません。
Oさん
後から追加で書き込みたい時にもいいし、キチキチしていないから書きながら心に余裕が生まれて、のびのび書けそう。
―所々に貼られた紙物や、手書きの映画のロゴなどからも、毎日の「良いこと」を楽しんで記録していた様子が伝わってきます。
Aさん
前向きに向き合いたいなと思って、書けた日は自分にご褒美でシールを貼っていたのも、楽しく続いた理由かもしれません。趣味の映画鑑賞をした日には★のシールも。
みんな
かわいい!
Iさん
日記をメモページに書くとマンスリーが空きがちだったので、ご褒美シール、良いアイデアですね!真似したいです。毎日じゃなくても、日記を書くのが楽しくなりそう。
Aさん
忙しない日々でつい忘れてしまいがちですが、「こんなに書いたってことは、こんなに嬉しいことがあったんだ」というのが一目でわかるのも嬉しいです。
ーみなさん、今日久しぶりに日記を開いたと思います。数か月経った今、見返して気付いたことはありますか?
Nさん
衝動的に欲を記録したのですが、結果的に自分の状態が映し出されているのが面白いですね。この頃はあのアーティストのライブが近かったから、欲しい物もそれ関連ばかりだなとか。
Hさん
私は、内容というよりも文字に自分の状態が反映されていますね。打ち込まれた文字では分からないような「この日は焦っているな」「この日には字にも落ち着きがあるぞ!」というような。手って繊細で面白い。
Oさん
私とRさんは日付枠があるからこそ、それも一つのシグナルになっているのかも。全然書いてない日もあれば、枠からはみ出してまで書いている日もある。
Rさん
書ききれなくて、日付に斜線を引いて次の日の枠も使っている所もあります。多分この時すごくやる気があった!笑
Hさん
インスピレーションが溢れている!
―書いた内容だけでなく、さまざまなところにその時々の自分の状態が反映されているのですね。
Iさん
他の人の日記を覗くという機会があまりないからこそ、自分の日記も客観的に見ることができたのかもしれません。
Yさん
「こう書くべき」というルールがなかったからこそ、誰一人として似ている日記がないのがすごく面白いですよね。それぞれが思うままに自由に、でも一緒に、続けられたのが部活みたいで楽しかったです!
座談会後編では、新しい手帳選びと、それぞれの「これから書きたいこと」について話しました。12月16日に更新予定です。ぜひご覧ください。