マス目の広い月間ページと、豊富なメモが魅力のロルバーン ダイアリー。さまざまに活用できるシンプルなフォーマットが特徴である一方で、その自由度の高さゆえに使い方で悩む人もいるのではないでしょうか。
そこで、今改めてその使い方のヒントを、連載企画としてお届けしています。
今回は、番外編として、書く楽しみを広げる筆記用具にフォーカス。実は便利な「グレーのペン」をピックアップして、その使い方やロルバーン ダイアリーとの相性、魅力をご紹介します。
Vol.1:年間計画ページの使い方
Vol.2:メモページを使った、日記の書き方
Vol.3:ロルバーン専用アクセサリーを使ったセットアップ
Vol.4:資格取得や勉強のための使い方
Vol.5:2冊持ちのススメ
Vol.6:マンスリーページで書く一言日記
Vol.7:「気になる」をストックするメモページの活用法
Vol.8:充実した1年を計画する、新しい1冊の使い始めにやりたいこと
Vol.9:日記を軽やかに続ける習慣 【書く前の準備編】
Vol.10:日記を軽やかに続ける習慣 【書いている最中編】
Vol.11:フリーダイアリーの活用法
ダイアリーと一緒に使う道具として、ペンは欠かせないアイテム。
とは言え、案外「これ」というものに出合うのは難しい。ペンを選ぶ過程においては、見た目や持った時の感覚などさまざまな要素があるが、特に大事なのは自分がダイアリーに記録したいことや整理したい内容に合うかどうか、気持ちよく使えるか、という点だと思う。
ダイアリーだけでなく、自分にフィットするペンとの出合いの参考になれば。そんな思いで、こちらの手帳専門店「楽しい手帳の読み物」でもこれまでペンに関する記事をいくつかお届けしてきた。
ブルーブラックのペンが似合う、デルフォニックス手帳
クリーム色の紙にカラーペンを書き比べ。1日1色の色見本
次にどんな提案をできるだろうか、と考えながらペン売り場を見に行ったところ、あまりの種類の多さに悩みながらも、色とりどりのラインナップの中で静かな存在感を示す「グレー」のペンが目に留まった。みなさんは使ったことがあるだろうか?
筆記具としてはニッチなカラーなのではと思いつつも、グレーのペンに集中して見てみるとその種類の多さに驚いた。ボールペン、マーカー、サインペン、いずれにもさまざまなグレーの選択肢が用意されている。
ペンを使いこなしたいという気持ちはありつつも、ルールを決めて色分けしたり、組み合わせたりするのは続かない、私のような人もいるのでは?とふと思った。 フラットなグレーならシンプルに使いこなせるかもしれない。そんな思いから、グレーのペンの魅力やロルバーン ダイアリーとの相性について深掘りしてみることにした。
筆記用具としてグレーという色は、あまり使う場面を想像しにくいという方もいるかもしれない。
しかし、実際に使ってみると、黒よりも軽やかで、青よりも落ち着きがある。
強い主張をしない無彩色だからこそ、情報を必要十分に引き立て、ページに余白を生み出す。グレーのペンは、ページ全体をさりげなく整える力を持っている色なのだ。
グレーという色の特性は、メインで使うことの多い黒やブルーブラックに自然な濃淡をプラスすることができる点にある。メインの情報に対して補足や注釈を添える、さりげなくマークして情報を区別するなど、目立つ色ではないが1本加えるだけで全体が分かりやすくなる。
同じページの中に明暗ができることで、内容の階層を視覚的に整えることができるのだ。


強調と非強調どちらのシーンでも使えることも、他の色にはない魅力。
特にグレーのマーカーはいずれの使い方にも馴染む。
強調したいところを囲ったり線を引いたりすれば、ページ全体のまとまりを維持したまま、周りと区別することができる。休日を塗りつぶす、旅行や出張など長期スケジュールに印を付けるなど、マンスリーページでの予定管理も、他の色のマーカーと比べて目立ちすぎずにさりげなく整理することが可能だ。
また、完了したタスクリストをマークする使い方も便利。「目立たせない」役割として使うが、斜線を引くよりも柔らかく、内容を残したまま「終わった」ことを可視化できる。

グレーのボールペンは、黒や青で書く時と比べて、書いた内容が強く残らないのが魅力。
他人に見せたくないメモ、気持ちを整理するための個人的な記録、仕事用の手帳にプライベートの予定を書き込むなど、使い分けることで情報を二層に分けることができる。

また、実際にグレーのボールペンを使って感じたことは、「しっかり書かなくては」「きれいに書かなくては」という心理的なハードルが下がり、他の色に比べてリラックスして記録ができたということ。筆圧が下がるような感覚で、さらさらっと書きやすい。間違いも、もやもやした内容も、気にならない。 まだ形になっていないアイディアや、簡易的な図やスケッチなど、頭と心を開放したいときにおすすめしたい。「書きながら考える」というスタイルに合っているなと感じた。

ひと口にグレーと言っても、その印象はペンによって大きく異なる。
今回文具売り場で見つけたグレーのペンを使って、ロルバーンの紙と白い紙で色味を見比べてみた。青やピンクなど鮮やかな色と比べたら色味の違いは分かりにくいのではないかと予想していたが、想像以上に違いがあった。
ボールペン、マーカー、サインペンと分類して見ていこう。
みなさんのしっくりくるグレーはどの色だろうか。ぜひ見つけてみて欲しい。


まずはボールペン。グレーの中にも濃淡があり、濃い色から淡い色までさまざま。
また、色味も、青みがあるブルーグレーのようなカラーや、緑がかったカラーなど、ペンによって違いが見えた。個人的に気に入ったのは、ほんのり透明感がありつつ文字が読みやすい「ラフグレー(ENERGEL)」と、「グレー(SARASA)」。
また、「ブラックグレー(ILMILY)」は、普通に書くとブラック、付属ラバーでこするとグレーに変化する1本で2色を楽しめるペン。後から補足情報を区別したり、情報を整理するのに便利な1本だ。 ロルバーンのクリーム色の紙に書いたものは、白い紙と比べて紙とのコントラストが下がり、一層グレーが馴染んでいるように感じた。ボールペンの細さでは色味の違いはあまり感じられないが、マーカーではどうか見てみよう。


マーカーは8種類を比較。ボールペンと比べて紙の色に干渉されやすく、クリーム色の紙に書くと全体的に温かみが加わり、色によってはライトベージュのようにも見えた。
こちらもかなり色味に差があり、比較的濃い「マイルドダークグレー(MILDLINER)」と「グレー(FRIXION)」を比べても、前者は若干紫がかった色味で後者は無彩色に近い。 個人的には、「ウォームグレー(KIRE-NA)」「グレー(STABILO)」がお気に入り。淡い発色で紙の色に馴染み、さりげなくマークできそうだなと感じた。「グレー(mark+)」は、一本で2色のグレーを使い分けることができるため、より強弱を付けたい人におすすめだ。


最後に、見出しやページの区切りとして便利なサインペンを比較。かなりくっきりした「グレー(筆タッチサインペン)」「マイルドダークグレー(MILDLINER Brush)」や、淡い「ライトグレー(筆タッチサインペン)」「ライトグレー(CLICKART)」など、最も濃淡の差があるように感じた。 マーカー同様に紙の色の影響を受けやすいため、ロルバーンの場合は、文字を書く用途としては濃いカラーの方が見やすい。書き心地やペン先の太さも物によってかなり異なるため、使い方によって選び方が変わってきそうだ。
カラフルなペンと比較して、目立ちにくい「グレー」のペン。
実はいつものペンに組み合わせることで、情報に強弱をつけてすっきり整理できる、便利なカラーです。書くことで頭を整理したいという方には、特におすすめ。
気になる使い方やペンが見つかったら、ぜひ試してみてください。