柄のデザインも多いデルフォニックスダイアリーの中で、そのシックな雰囲気が際立つシリーズ「オム」は、ビジネスシーンで持ってもしっかり馴染むような、研ぎ澄まされた佇まいが特徴です。
デルフォニックス社員の間でも、企画段階から「欲しい」という声が多かったこちらのシリーズ。
一見シンプルでありながら、その上品で洗練された印象はどのように作られているのか。
担当デザイナーに聞いたシリーズへのこだわりとともに、「オム」を構成する各要素について見ていきましょう。
10月始まりのロルバーン ダイアリーで例年登場している、シンプルで素材にこだわったユニセックスなシリーズたち。
昨年は、布のような風合いの表紙の「テクスチャー」や、本革のような高級感あふれる表紙の「クラスタ」などがあったが、今年の「オム」は何が違うのだろう。
分かりやすくその印象の違いを総括すると、“より時代を反映させたクールさを纏っている”というところだろうか。
「オム」の担当デザイナーは、「“ビジネスでも使える” “男性も使える”という点はテクスチャーやクラスタでも重視していましたが、クラシカルな印象が強かったように思います。今の時代に合ったクールでスタイリッシュな雰囲気を取り入れようということで生まれたのがオムです」と話す。
そんな意図がデザインに反映された一つが、シリーズ全体での採用は初の試みである囲みロゴだ。 ロルバーン シリーズを象徴するロゴ。通常は塗りつぶされているが、今回はその輪郭のみで内側は抜かれている。
囲みロゴが初めて登場したのは、2021年に発売されたロルバーン ポケット付メモ「プラネット」シリーズ。3柄のうちの1柄で、宇宙空間に煌めく銀河に合わせ、SF映画を思わせる近未来的な雰囲気をロゴでも表現した。以降もクールでモダンな印象を持たせたい時にピンポイントで使用していたものを、今回はシリーズ全てに採用している。
「仕事場でも持ちやすいものというテーマに沿って、ロゴの場所を変えたりテキストの一部を削除したり、色々と挑戦してみました。最終的には、長く使用するダイアリーというアイテムにとって“ロゴがいつもの場所にある”ことも重要であると考え、今回はこの”囲み“という形に至りました」というように、クールな印象と変わらない安心感が共存している。 定番でありながらも、その特別な佇まいで、いつもとは少し違う新鮮な気持ちで持つことができそうだ。
もう一つ大きな特徴であるマットな質感の紙は、担当デザイナーが以前より表紙に使用したかったものだったそう。
「ネクタイピンやレザー小物などの紙箱に使われているイメージで、過去にはレターセットの封筒などに使用したこともありました。ロルバーンの表紙に使うのは初めてですが、ノーマルな印象でありながらもプロダクトにしたときに高級感が出る、絶妙な風合いが上品です。癖がなく“伝わりすぎない”ところが、目指す雰囲気にぴったりだなと思い採用しました」
これまでの近いシリーズと比べると、表面に凹凸が少なく色の濃淡なども控えめの紙。マットな風合いを楽しめるしっかりした手触りが特徴だ。
「自転車や家電製品でも増えている」というようにマットな質感は近年さまざまな製品に現れているトレンドでもあり、繊細に輝く箔押しのロゴとのコントラストを際立たせている。
単体で見ると派手さはないものの、その絶妙な風合いが、製品の中で良い役割を担っているのだ。
また、カーキ、ダークブルー、ブラウンというシックな配色は、初期の段階からイメージが固まっていたという。近年雑貨でもトレンドになっているグリーン系のカーキと、定番の再発見という意味でのダークブルー。そして、挑戦のブラウン。
「トレンドカラーは、ファッションからスタートして、文具や雑貨には遅れて反映されます。レッド、ダークブルー、グレージュ、ブルーグレーと続き、今はグリーン。長年商品の企画をしながら移り変わりを見てきました。
ダークブルーは近年定番でありながらも影は薄めでしたが、最近また少しずつ再発見されているように感じています。トレンドを反映するだけでなく先取りして作っていくという意識も大切にしており、最後の一色はそういった意味で、これから流行が来るのではないかと感じているブラウンをあえて採用しました」
質感も配色も、細かな時代の動きを敏感にキャッチしながら新しい挑戦をしていく。さらに「手帳」という製品へどのように落とし込むのか、調整と検討が繰り返され、今っぽくもベーシックなダイアリーが出来上がったのだ。
「ビジネスシーンでも、万年筆やボールペンなどの筆記具、PCや周辺ガジェットなどと馴染むように意識しました」というように、箔、リング、ゴムバンドといった各バーツの配色もトラッドな雰囲気を纏っておりビジネス小物と相性が良い。愛用している道具との組み合わせを考えるのも楽しそうだ。本体やロゴのカラーで合わせることで、持ち物に自然と統一感が生まれ、洗練された印象になる。
自身も大人になって物の選び方に変化が生まれたというデザイナーは、「“持てる” “持てない“というのがはっきりと分かれてきたように思います。重要な会議の場で使っても違和感のないものなど、使う場所を考えて物を選ぶようなシーンが増えますよね。ロルバーンは柄の入ったデザインも多いですが、そういったものと並行しながら、よりたくさんの人に使ってもらえるように、生活や仕事などの日常に自然と馴染むようなプロダクトも作り続けていきたいと思っています」と話す。
前回の記事で紹介した、気分によってさまざまな表紙デザインを楽しみたい人に向けた「トロワ」とはまた異なり、その配色や上品な質感でどのような場面にも馴染む「オム」。
角度は違えど、どちらも一年を共にするという前提のもと、手帳と過ごす時間が日常の中でより豊かになるようにとデザインされたダイアリーだ。
この手帳とともに、どんな一年にしたいか。どんな時に、どんな使い方をしたいか。
手帳を使う自分の姿を想像しながら、しっくりくる一冊を選んでみてはどうだろうか。
「オム」は、2023年10月始まりのロルバーン ダイアリーです。
直営店では2023年8月18日(金)より発売予定。楽しみにお待ちください。
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